俗称「かんこぼの木」の、小枝の分かれ目が、丁度「ク」の字になっているのです。
次々に小枝を折ってゆき、人数に応じて、それを順番に分配し、クの字とクの字を引っかけて引っぱり合い、枝の分かれ目が、取れた方が負けとする遊びです。
冬期間の遊びで、試合の前に、予め用いる枝の順番を各自決めておきます。
家の土間が遊び場になりました。
「かんこぼの木の枝は、赤い色しとる(してい)さかい(るから)に、何処にあるか、解り易いのう」
「いきぁ(雪は)、白いさかい(から)に、冬は、尚、解り易いのう」
「ジャンケンで、じん(順番)ばん決めて、一本ずつとるまいかい」
「大将にしるがに、でかい(大きいの)がを、一番先に、とらん(とらなければ)ならん(ならない)」
「そがん(そんなことは)こと(ありませんよ)ぁないぞ、引っぱる力の掛け方で、ちん(ちい)ちゃいが(さいのでも)でも、勝つことぁ、あるぞ、曲った、角んとこに、息んなむ、ハァハァと掛けるとき(強く)つなる(なるのも)がも、あるぞ」
「いきぁ、降ってきたさかいに、玄関ん中で、やる(やり)まいかい(ましよう)」
「どいつから、勝負するがか、じんばん通りに、並べとかんならんがに決めとくぞ」
「いきなり、大将みたい(みたい)ながん(のを)なむ、出されると、はんじょで(面白く)ない(ありま)もん(せん)のう(から)」
「めろんこぁ(女の子)、めろんこ同士で弱いよな、チンチャイ枝でしる(やりなさい)こっちゃ」
「えさ(喧嘩)かい、しられん(したらだめ)ぞう(ですよ)」 おしまい
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市君 (木曜日, 14 7月 2016 12:36)
大変楽しく、かつ懐かしく読みました。